ねんきん定期便
今回はねんきん定期便について書こうと思います。
ねんきん定期便の経緯
民間企業や官公庁に勤めていると、公的年金の保険料は給与から天引きされて、
雇用主が納付しているため自分が直接年金を支払ったという感覚がありませんよね?
給与明細でも所得税や住民税、健康保険料などと並んで
「厚生年金保険料」として金額が記載されていますので
実際のいくらの金額が天引きされているかイマイチわかりません。
2007年に年金記録問題「消えた年金」問題といわれ、メディア等で広く扱われ大問題となりました。
そこで
年金加入者に対して公的年金の加入状況を知らせるために設けられたのがねんきん定期便です。
ねんきん定期便の内容
ねんきん定期便は、現在では毎年の誕生日前後にハガキで送られてきます。
中身を開くとそれまでの1年間の公的年金の加入状況と保険料の納付状況が印字されています。
また、反対側にあるもう一つの糊付けを開くと、このままの保険料納付が継続した場合に、将来受け取ることのできる公的年金の老齢給付額の見込みが印字されています。
35歳と45歳、58歳には封筒で送られてくる
ハガキには過去1年分の公的年金加入記録が記載されていますが、封筒はそれまでのすべての記録が記載されています。なお、年金の見込み額はハガキでも封筒でもどちらのお知らせでも同じ内容です。
ただし、将来の年金給付額は物価水準やマクロ経済スライドによって修正されるため確定している金額とはいえません。
会社員や公務員の方(2号)は数字を鵜呑みにしてしまうと危険
歳が若くこれから給与が上がると期待できるならば、厚生年金保険料は標準報酬に対する保険料率で決まるので見込み金額はもっと大きくなる可能性があります。
しかし、現在が給与のピークという方は役職定年や定年延長後の再雇用などで給与水準が低下する場合もあります。
ねんきん定期便は50歳未満向けと50歳以上向けで内容が違う
年金の見込み額は50歳未満向けのものと50歳以上向けのもので内容が違います。
50歳未満向けの見込み額はそれまでに加入した記録で計算されており、これから加入するぶんの記録は計算に入っていません。(いままでの記録をだけを使って計算)
対して50~60歳向けの見込み額にはそれまでに加入していた記録に加えて最近の給与が60歳になる前の月まで続く前提で計算されています。(60歳になるまで働き続けるという前提で計算)
この世代の方は老後が近いため、その準備の参考になるように工夫されているということでしょうか?
しかし、給与が変わったり早期退職等をすると見込み額の計算前提と変わってきますので注意が必要です。
逆に61歳以上向けのねんきん定期便では定期便を作る前々月までの記録を使って見込み額が計算されています。
ねんきんネット
インターネットを使って年金の見込み額や年金に対する記録を確認できるサービスもあります。
◎まとめ
ねんきん定期便はとても便利で将来の見込み額などが確認できるシステムですが、公的年金の加入状況や年齢によって見方が少し変わるようです。